令和元年度ビブリオバトルを開催しました
- イベント
- 掲載日2019年12月4日
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ビブリオバトルとは、発表者(バトラー)が持ってきた本の魅力を制限時間内で語り、その中で参加者全員が一番読みたいと思った本(チャンプ本)を選ぶという、「人を通して本を知る、本を通して人を知る」コミュニケーションゲームです。
昨年度に引き続き、大妻女子大学図書館サークルOLIVE(オリーブ)と共催で、ビブリオバトルを行いました。
今年度の本戦は、一般の部の他に中学生・高校生の部を開催しました。
ワークショップでは、参加者をグループに分けて行うミニビブリオバトルを行いました。
令和元年度ビブリオバトルの概要
開催日 令和元年11月10日(日曜)
開催場所 永山図書館軽読書コーナー(本戦)
消費生活センター講座室(ワークショップ)
時間・参加人数等 中学生・高校生の部(本戦):午前10時30分~11時15分 バトラー3人 観戦者24人
一般の部(本戦):午後1時30分~2時30分 バトラー6人 観戦者23人
ワークショップ:午後2時40分~3時40分 参加者12人
☆当日の様子
本戦の会場である永山図書館軽読書コーナーは、オープンなスペースということもあり、本イベントを目的に観戦しに来た方以外にも、通りすがりに観戦される方もいるなど、多くの方にビブリオバトルを知ってもらうことができました。
また、今年度新設した中学生・高校生の部では、観戦者や軽読書コーナーを利用される人達の目を集める中、どのバトラーも一生懸命おすすめの本を紹介し、観戦者も熱心に聞き入っていました。
一般の部では、ミステリー・児童書・世界史など様々なジャンルの本が紹介され、本の紹介にパフォーマンスを交えるバトラーもいるなど、観戦者を楽しませてくれました。
参加者へのアンケートでは、「どの参加者(バトラー)も本への愛を感じた」「とても面白いビブリオバトルで、見応えがありました!!」「もっとたくさんの人に参加してもらえると良いと思います」等のお言葉をいただきました。
ワークショップは、バトラーとして一般の部の本戦に参加された方も含めて、少人数のグループに分かれてミニビブリオバトルを行い、終了後もお互いにおすすめの本の紹介をしあっていました。
☆景品・参加賞について
今年度は、中学生・高校生の部および一般の部の本戦でチャンプ本に選ばれた方には、図書館長より和装本の景品を贈呈しました。
中学生・高校生の部では、参加賞として和柄の布を使用した本のしおりも贈呈しました。
(景品の和装本及び参加賞のしおりは、大妻女子大学図書館サークルOLIVEが作製されたものです。)
また、株式会社タウンニュース社発行の地域情報誌『タウンニュース』多摩版(令和2年1月9日号)に、チャンプ本に選ばれた2名の方のおすすめ本の紹介記事が掲載されます。
中学生・高校生の部・景品贈呈の様子
一般の部(本戦)の様子
ワークショップの様子
今回のビブリオバトル(本戦)で紹介された本
※★がついている本がチャンプ本です。
中学生・高校生の部(本戦)で紹介された本
★『サウンド・オブ・サイレンス』(文春文庫) 五十嵐貴久 著/文藝春秋/2014年
※表紙の画像は、多摩市立図書館が所蔵している2011年出版の単行本の画像です。
【バトラーからのコメント】
『サウンド・オブ・サイレンス』は、3人の学生のろう者がダンスバトルへと頑張っていくお話です。
私は、ろう者というだけで可哀相だと思ってしまったけれど、夢に向かって挑戦していく彼女たちはとても素敵でした。
とてもおすすめする本です。是非読んでみてください。
『きのうの影踏み』(角川文庫) 辻村深月 著/KADOKAWA/2018年
※表紙の画像は、多摩市立図書館が所蔵している2015年出版の単行本の画像です。
【バトラーからのコメント】
今回、辻村深月さんの『きのうの影踏み』を紹介させていただきました。
この本は13の短編からなる、ちょっと怖い本です。
怖いといっても一味違って、日常にじわじわと侵食してくるような怖さです。
ぜひ1度手に取ってみてください。
『ラベルのない缶詰をめぐる冒険』アレックス・シアラー 著/金原瑞人 訳/竹書房/2007年
©竹書房
【バトラーからのコメント】
私がオススメする本は、アレックス・シアラー作『ラベルのない缶詰をめぐる冒険』です。
中身が何なのか、全く予測もつかないラベルのない缶詰。
みなさんもこの本のページを開き予想もつかないとんでもない冒険に出かけるか、出かけないか、それはあなた次第です!!
一般の部(本戦)で紹介された本
★『風の影(上・下)』(集英社文庫) カルロス・ルイス・サフォン 著/木村裕美 訳/集英社/2006年
【バトラーからのコメント】
登場人物たちの言葉から感じる、内戦の影。不気味であり、同時にミステリーに満ちている。
沈黙する大人たちは、孤独、喪失、恐怖、虚無、過去を背負いながらもダニエルを見守る。
「本は鏡とおなじだよ。自分の心のなかにあるものは、本を読まなきゃ見えない」
『新ちゃんがないた!』佐藤州男 作/長谷川集平 絵/文研出版/1986年
【バトラーからのコメント】
大人にも読んで欲しい児童書!小5男の子二人の成長物語。
特別学校から普通の小学校に通い始める両足が不自由な新ちゃん。
数々の試練に立ち向かう力強い姿を隣で見る剛ちゃん。
さて、二人は共存という環境を手に入れる事ができるでしょうか?
『くちびるに歌を』中田永一 著/小学館/2013年
【バトラーからのコメント】
あなたは音が聴こえる小説に出会ったことがありますか?
高校生だった私に新しい世界を教えてくれたのは、長崎県の五島列島にある中学校の合唱部のお話でした。
特別な言葉はないけれど、ページをめくる度に、若々しい甘酸っぱいキラキラした中学生の歌声が聴こえてきます。
『二重らせん』ジェームス・D.ワトソン 著/江上不二夫 訳/中村桂子 訳/講談社/2012年
【バトラーからのコメント】
1962年にDNAの構造解明でノーベル賞を受賞したのはワトソンとクリックです。
その仕事がなされた51年から53年の様子がワトソンの視点から描かれ、ライバルに勝とうと奮闘する様子は楽しめます。
優秀な科学者も「凡人的」な所があることがわかります。
『サピエンス全史(上・下)』ユヴァル・ノア・ハラリ 著/柴田裕之 訳/河出書房新社/2016年
【バトラーからのコメント】
7万年前にサピエンスはこの地球上の頂点に立った。それは認知革命によるものだとこの本は言う。
キーワードは「フィクション」。貨幣、宗教、帝国が3大フィクション。
農業革命、科学技術革命を経て現代は知識革命の真っ只中にあるが、すべてフィクションが関わる。
『モアイの白目』小林洋美 著/東京大学出版会/2019年